やまげの日記


by yamage1999

肺炎その3 市中肺炎の治療

さて、今回は治療法について。まずは市中肺炎。

【病態と診断】
まず第一に。
対象となる患者は若年の健康人から基礎疾患を有する人、高齢者まで多彩なので、
個々の患者の背景因子を考慮して原因菌を推定することが大事。

d0016728_12453534.jpg細菌性肺援軍と非定型肺援軍の鑑別
右の表を参考に。
要するに過去の肺炎のまとめである。

簡単に言えば、普通にしてたら肺炎らしくない人の肺炎は「非定型肺炎」である。
あたりまえか。読んで字のごとく。
基本的に肺炎は基礎疾患があったり、高齢者だったりとあんまり免疫力のない人がかかる病気である。
そう思っておけば、そうじゃない人がかかる肺炎は、その時点ですでに「非定型」だからね。

検査成績としても、
白血球が上がらなかったり、
陰影がスリガラス状(定型肺炎は肺胞を冒すので粒状影でしたね)だったり、
グラム染色で染まらなかったり、と
普通の肺炎ではないぞって感じがしますよね。

そういったところから原因菌を推定していくわけですよ。
その後、empiric therapy(経験的治療)を行い、その後原因菌が判明すればそれを施行した抗菌療法を行う。
細菌性肺炎で最も留意しなければならないのは、PRPS(ペニシリン耐性肺炎球菌)に代表される
DRSP(薬剤耐性肺炎球菌)による肺炎である。
病歴上では
1)65歳以上
2)過去3ヶ月以内のβーラクタム薬使用歴
3)アルコール依存
4)ステロイド投与を含む免疫低下状態
5)複数の基礎疾患
6)就園児との接触
があればDRSPを疑う。

んでは、具体的な治療法。

A、軽症から中等症の肺炎:脱水のない症例は外来治療の適応である。
1)非定型肺炎:下記のいずれか
ジスロマック錠(250mg)2錠/1× 3日間
クラリシッド錠(200mg)2錠/2×
ミノマイシン錠(100mg)2錠/2×

2)細菌性肺炎:下記のいずれか
DRSPリスク低いとき
サワシリン錠(250mg)4-6錠/3-4×
ユナシン錠(375mg)3錠/3×

DRSPリスク高いとき
クラビット錠(100mg) 4錠/2×
ケテック錠(300mg)2錠/1 5日間

B。中等症以上で入院を要する肺炎:高齢者。基礎疾患が中等症以上。脱水や消耗が激しい。意識障害あり。低酸素血症あり。誤嚥の疑われる場合。遠隔地在住者。
1)非定型肺炎
ミノマイシン注 1回100mg 1日2回 点滴静注

2)細菌性肺炎:
ユナシンS注 1回3g 1日2回 点滴静注
ロセフィン注 1回1g 1日2回 点滴静注
(非定型肺炎との合併が疑われる場合はマクロライド、テトラサイクリンの薬剤と併用療法も考慮)

C.重症肺炎:広域のスペクトラムを有する抗菌薬を複数組み合わせる。

まぁたくさん薬の名前を書いてきたが、これはそのつど本を読んで調べたほうがいいかも。
あと、商品名ばっかり書いてしまったのだが、よくわかんないですよね。
しかしながら、一般名を調べたくてもいま教科書が手元にないので、そのうちコメントのところにのっけます。
大切なのは、調べなきゃいけないことが何かをわかっていることだと思うので。
ちなみに今回は今日の治療指針を参考に書いています。

あと、患者説明のポイントを。
・高熱が持続、または呼吸困難増悪があればすぐに再受診するように指導。
(あたりまえだが、すごく大事。
あと、良くならないということは最初の読みが外れている可能性が高いということ。再受診したときに起炎菌の同定がすんでいるといいのですが・・・)
・脱水にならないよう、水分補給を十分に行うようにさせる。
(これはほんとに大事。入院しなきゃならなくなったら困ります)

と、いうことでした。
あ、あと、このお勉強のカテゴリですが。
個人的な感想をできるだけ大事に書こうと思っているので、詳しくは書いておりません。
詳しくはきちんと教科書を読みましょう。
医師っていうのは「実践」と「知識」を上手にバランスよく使うことが大事、と誰かがおっしゃっていました。

水泳も一緒。
練習量と同時に、水泳についての知識をしっかりと持つことが上達の近道。
と昔の偉いお方はおっしゃっていました。
その精神は仕事を始めても大事な一つのポイントだと思っています。
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by yamage1999 | 2005-05-21 13:29 | お勉強