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やまげの日記


by yamage1999

肺炎その1 非定型肺炎

お勉強シリーズ。
先生にも言われたのですが、
「肺炎の診断、治療方針などに通じていると他の科にいっても重宝がられる」
とのことなので。
まずは非定型肺炎について。

クラミジア、マイコプラズマ、レジオネラ、リケッチアによる肺炎のこと
種々の点で最近やウイルスとは異なり、その微生物学的性状から各々独立した微生物として取り扱われている。
4つに共通した重要な点として、細胞壁を傷害する抗菌約(ペニシリン、セフェム)が無効であり、テトラサイクリン、マクロライドが有効なことである。
軽症市中肺炎患者における主要病原体の頻度として、マイコプラズマ、クラミジアは多い。

1)クラミジア肺炎
主症状:咳(遷延する頑固な乾性咳そう)、咽頭痛、発熱(37℃台)
Xp:肺胞性+間質性
検査:血清抗体価測定法
治療:マクロライド、テトラサイクリン、一部のニューキノロン

2)マイコプラズマ
主症状:咳、発熱(39℃以上)、白血球が増加しない
Xp:浸潤影や均質性陰影
検査:PPLO培地、血清抗体価測定法,DNAプローブ法、PCR法
治療:マクロライド、テトラサイクリン、一部のニューキノロン
基礎疾患のない健常人、男性、喫煙者に多く、宿主の細胞性免疫反応の過剰が重症化を招く。
呼吸不全を呈する重症例では、肺局所における細胞性免疫の過剰反応を抑制する目的から
抗菌薬の使用とともに、副腎皮質ステロイド薬の併用が有効であるとされている

3)レジオネラ
主症状:悪寒、高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛
     →乾性咳そう、少量の粘液痰、胸痛、呼吸困難
Xp:一側性の浸潤影。急速に増大する傾向あり
検査:培養、血清抗体価測定法,直接蛍光抗体法、EIAによる尿中菌体抗原の検出
治療:リファンピシン、マクロライド、ニューキノロン、テトラサイクリン、ST合剤、クロラムフェニコール
進展が早く、治療が遅れると致命的。
検査結果を待たずに臨床的に本症を疑った時点で有効抗菌役の投与を始める。

4)Q熱Coxiella burnetii
主症状:潜伏期2~6週間→発熱、乾性咳そう
     白血球正常、血小板減少、肝酵素の上昇
検査:血清抗体価測定法
治療:テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン、クロラムフェニコール
投与期間は解熱後も最低2~3週間


まぁそんなこんなですが、要するに大切なことは、
ペニシリン系、セフェム系が効かない肺炎
XP上間質性の変化のある肺炎
は、非定型肺炎を疑うこと。
そして、無駄にスペクトルの広い抗菌薬を使わないこと。
先生の言葉ですが、
抗菌薬は人類の財産、新しい薬はスペクトルは広いけどどんどん耐性菌を生む。
適応をしっかり選んで抗菌薬を使いましょう

とのことでした。
次回は定型肺炎の予定。
by yamage1999 | 2005-05-15 23:31 | お勉強