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やまげの日記


by yamage1999

野口分類

今日はオペカンファレンスのために勉強したこと。
小さな肺癌のお話です。
いか、とあるHPの(ほぼ)パクリ。

ここ10年ほどで、肺癌、特に小さな肺癌に関する診断は、大きく様変わりを
遂げてきた。
それはもちろん、CTが進歩したからである。

このような時代であるから、当然、単純写真がメインであった時代と比較し、
小さい肺癌がバシバシ見つかるようになってきている。
そうした中で、予後が違う集団を分類わけする必要性が出てきた。
それが野口分類「直径2cm以下の小型腺癌のための分類」である。

特徴として
・分かりやすい(というか画像を見て分けやすい)
・予後ときっちり相関する
という非常にユースフルなシロモノ。
外科カンファレンスのためにこれを勉強することになった。


野口分類のキモは、まずこの分類が、
肺胞上皮を置換しながら、つまり肺胞壁に這って増殖する「置換型癌」とそうでない「非置換型癌」の2つに分けている点、
そして、その2つがさらに3つずつに分かれている(つまり全部で6つだ)点である。
これを頭に入れておけば、この分類の理解がすごく楽になる。

といった辺りを押さえて、その6つの分類を見てみるのである。

まず野口A型。これは「限局性細気管支肺胞上皮癌」。
画像所見で言うと
「孤立性で肺胞置換性増殖を示し、肺胞隔壁の肥厚は小さく、線維化巣を持たない(スリガラス陰影のみ)」
という感じになる。

次いで野口B型。これは「巣状の肺胞構造虚脱を伴う限局性細気管支肺胞上皮癌」
画像所見で言うと
「A型同様だが、内部に肺胞虚脱による線維化巣が存在する。この線維化巣の存在により、胸膜陥入像がしばしば観察される」
という感じになる。

次は野口C型。これは「巣状の活動性線維芽細胞増殖を伴う限局性細気管支肺胞上皮癌」。
Bと似てるけど微妙に違うな。
画像所見で言うと、
「基本的には肺胞置換性増殖を示すが、内部に大きな核を持つ活性化線維芽細胞と小血管の増殖があり、
線維化巣内部の腫瘍細胞の核が肺胞置換性増殖を示す辺縁のそれに比べて大きく異型が強い。
通常、はっきりした胸膜陥入がある」
って感じになる。
Cが小型腺癌の60%を占める最多の型であることは覚えておこう。

ここからは非肺胞置換性の癌。この中には、肺胞内にモコモコ増える充填型
とか、そもそも肺胞なんか気にせずに男らしく周囲に進展する破壊型
なんかがここに入る。

つーわけで、野口D型。これは「低分化型腺癌」であって、
画像的には、
「充実性増殖を示し、時として大細胞癌との区別が困難」なんだそうで
ある。

次の野口E型は「腺管腺癌」。「気管支腺細胞に由来し、
管状あるいは篩板様構造をとることもある」のだそうだ。むしろ病理学的な
話なのかな。

最後の野口F型であるが、これは「圧排性及び破壊性に増殖する
乳頭型腺癌」。つまりは「肺胞置換性増殖の形態をとらず、膨張性あるいは
破壊性増殖を示す」んである。

A型とB型は予後が5年生存率が100%。C型が75%、D型が52%。
EとFは症例が少ないんで生存曲線が出てないんだが、何となく悪そうではある。


とのことでした。
世の中新しい機械、新しい技術ができていくたびに
新しい分類、新しい考え方が生まれてくるんですね。
俺が国試勉強している間はこんな知識なかった気がする(勉強不足なだけかも知れんが)
日々勉強ですね。
by yamage1999 | 2005-05-15 20:24 | お勉強